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岡大短歌会

Author:岡大短歌会
2012年に発足した岡山大学公認サークルです。活動予定などのお問い合わせはTwitter(@okatan2012)まで。


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評が苦手だ。とまではいかないが、あまり得意ではない。短歌に触れたときに浮かぶ景や揺さぶられる感情は確かにあるのだけど、それをはっきりとした言葉で表すのは難しい。その歌の世界をつかみ切れていない気がいつもしている。


 だから、先日開催された染野太郎さんと大森静佳さんを招いての歌会は衝撃的だった。とにかく二人の評が参考になりすぎるのだ。歌会で評をするときにポイントとなる点はいくつもある。どういう景なのかはもちろんだけど、主体について、韻律やリズム、言葉の響き、語順、比喩などなど…二人はこういう基本的なポイントを抑えたうえで、さらに別の角度からの評をされていた。


 例えば、染野さんは主体の視点が動いていくような歌を評する時に「カメラワーク」について触れていた。その歌に使われていた「移されて」という言葉から客観性を感じる。だから作者は主体の動作を少し離れたところから見ていて、その主体から一歩引いた地点からのカメラワークで歌を作っている印象を受ける。そして、そういうカメラワークだからこそこの歌は秀逸だ。というような評をされていた。私はその歌の景について何となくは分かっていたけれど、染野さんのこの評を聞いて、景をはっきりとした動画のように頭に浮かべることが出来た。「移されて」という言葉の意味や強さから、作者の視点の動きまで考察できるなんて…!言葉一つ一つにきちんと向き合っているからこその評なのだなと思った。


 大森さんは多彩な読み、様々な視点からの評をされていた。これまで私は大森さんが参加される歌会に何度か参加させていただいたことがあるのだが、その時にも大森さんは「それまで誰も触れてないような読み」についてよく触れていた。私が意味の取りづらい歌を出して想定していたのとは違う読みをされてしまった時、私がしてほしかったそのままの読みを示していただいたこともある(嬉しかったです)。今回の歌会でも、私が想定していたのとは違う読みをされていて、やっぱりすごいなと感じた。


 この二人に共通しているのは、歌を構成しているすべての言葉に寄り添える事なのかなと思う。染野さんの「カメラワーク」も、大森さんの「多彩な読み」も、一つ一つの言葉を深く深く考察したことによるものだ。言葉にすると簡単そうだが、実際には難しいことだ。その言葉がどういうイメージを連れてくるか、どういう役割を担っているのかについての考察を、歌の全ての言葉に対して余す所無く行い、読みを深めていく。今の私に足りないのはそういう意識なのだろう。これからはその歌がどういう世界を伝えたいのかをつかみ切れるように、雰囲気で読むのではなく、すべての言葉に意識を向けていこうと思う。そうしたらちょっと評がうまくなる気がする。(村上航)
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